ハノマンの旅は道連れ HOMEThailand>ドイメーサロン
ドイメーサロン
タイの中の中国
チェンライから車で約1時間の山の上にドイメーサロンという中国人の村がある。私はバイクに妻と子供2人を乗せてやって来たのでもう少しかかった。
それまでに案外急な坂道がたくさんあった。バイクはエンジンがギュンギュン唸りながら坂道を上った。そしてその坂を上るたびに風が涼しくなっていく。空気が変わっていくのが肌で感じられるのだ。そうしていくつかの坂を上り峠を越えると向こうに集落が見えてくる。
そこがドイメーサロンだ。

中国共産党と戦って流れてきた中国の国民党達がタイに亡命してそのままタイに住んでいる村である。街の中は中国語の看板が出てる、タイ語もあるけど中国語の方が多い。アカ族のおばさん達がうろついている。
近くにある自分たちの村から買い出しにでも来たのだろうか?
とりあえず雑貨屋の前にバイクを止めて何か飲み物を探す。
店の人に「タオライ?」というときょとんとした顔をして店の奥で中国語でヒソヒソ話をしてた。
そうここは中国人の町、タイ語を話す人は居ないのだ。アカ族などの少数民族はタイの北の方言を共通語にしている。だからこの村では、タイ語を話す人は居ないのだ。もちろん学校でタイ語を習うけど、普段は皆中国語を話している。

ここは標高が高いので湿度が低く、シャツもべとつかずとても気持ちがいい。私たちは1件の小さな食堂を見つけた。せっかくだから中華料理を食べていくことにした。
客は私たちだけだった。30過ぎのお父ちゃんが一人で店番をしてた。
タイ語で話しかけるがよく解らないみたい、中国語で話をする。中国の南でよく聞く発音だ。もちろん午後の暇な時間帯だけど、たまに私たちみたい観光客が来て食べるだけみたいな店だった。写真メニューにはタイ語と中国語そして英語も書いてあった。それでも水餃子やマボードウフなどを注文して食べた。「うまい!」これがなかなかいける。妻も子供もおいしそうにパクついている。
麻婆豆腐なんて中国の味とタイの味が程良く混ざったいい味だった。水餃子もスープの味といい具と皮もおいしかった。値段は1品40−50バーツぐらいだった。屋台で食べるよりだいぶ高いけど、味はおいしかったので満足した。でもこんな山の中では誰もこんな高い金は払わないだろうなと改めて思った。
あの店もたまに客が来るだけで大丈夫なのかなあ?しばらく村の中、と言っても峠の道路に沿って家があるだけだけど、ぶらりと歩いて帰ることにした。

帰りは行きと違いバイクは快調に走った。
快調すぎて怖いくらい。山の上から急なさかみちが続いているのだ。そしてその急な坂を一つ一つ下りていくたびに空気が生暖かくなる。すれ違う車が増えてきて、家々も増えてくる。山をだいぶ下りてきた頃にはあの灼熱のタイの暑さが待ち受けていた。
そこにはいつもと変わらない喧噪のタイの世界が待っていた。チェンライの町に帰ってきて市場に行くとさっき山であったアカ族のおばさんに似た人が居た。たった1時間でこの違い。でもここから1時間でビルマもラオスも行ける距離。
まだヤオ族とかメオ族という少数民族が山の中にはたくさん居る。それぞれの民族に、そしてそれぞれの村に特徴があって面白い。不思議なタイの山の中のごちゃ混ぜ文化でした。

山に向かう

ドイメーサロン

町中

ひとやすみ

中華料理店

お店?

アカ族

道路沿いの市場



Thailand
E-mail
ハノマン@沈没旅行者