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ジュライ303号室物語

私の友達だったGさんはジュライの303号室で自殺しました。
その訃報を聞いたのは友達からの電話でした。
朝日新聞の片隅に掲載されたのを友達が見つけて連絡してくれました。私は「なんで!」とおもいながら彼の好きだった歌、「Because I love you」を聞いて彼のことを思いだしてたら涙がポロポロ出てきました。Gさんと会ったのはやはりジュライでした。

私はまだ楽宮に泊まってた頃、彼はジュライのエアコン部屋に一人で泊まってました。ちょうど暑い季節だったので彼の部屋でよく涼んでました。彼はジュライにいる旅行者にしてはお金の使い方が違いました。靴を何足も買ったり、ブランドの服を買ったり、ツアー客じゃないんだよ?と言う感じでした。また遊び方も楽しくよく一緒にパッポンに出かけたりもしました。そして私がインドに行って帰ってきたら、彼もインドネシアに行って帰ってきたところでした。それからまた、島にみんなで行ったり、ソンクラーンを楽しみに北へ出かけたり、しばらく一緒に旅をしてました。

しかし私はもう日本へ帰る頃になりました。お金が無くなってきたのです。その数ヶ月後、彼は好きなジュライのトイレで自殺し帰らぬ人になったのです。彼のお葬式はジュライで盛大に行われたそうです。たくさん人に見送られて。

彼は別れた奥さんとの間に子供が居ると言ってました。別れた理由も彼に有るそうです。しかしまだ別れた奥さんに未練があったみたいでした。今思うとそのことを忘れるための旅だったかもしれません。

1年後私はちょうどタイで働いてたました。
ジュライにいたGさんの知り合いだった人10数人で彼の1周忌を行いました。ジュライの3階の一室で机に花を飾り彼の好きだった物を捧げ、みんなで彼の冥福を祈りました。
お葬式にでれなかった私の最後の別れの気持ちとして。
合掌。
Gさんの写真17KB
1周忌の写真25KB


ジュライ303号室物語続編

そんなことがあったいつか、友達がジュライの303に泊まりました。
彼が「ジュライで死んだ人の部屋ってどこでしたっけ?この部屋ではないですよねー!」
と言うので、私もとぼけて「うん、4階だったかな?」ととぼけて答えました。次の日彼に聞きました。「昨日夜寝てるときに変な音や物が見えなかった?」彼は「ううん、別に」と答え、私はほっとした反面残念な気になりました。

数年後カオサンのゲストハウスにいた友達の所を訪ねたときです。こんな話をしてくれました。「この前日本人のカップルがジュライの3階に泊まったのだけど、夜中に廊下ではなくトイレの方からノックの音が聞こえるので、見てみたけど誰もいない。それも一度だけでなく電気を消して寝ようとするとまた聞こえてきたという。気持ち悪いので次の日すぐカオサンに移ってきた。」 私はあっと思い聞いてみた。「そのカップルって若い?」「うん学生だと言ってた。」と彼。
「ノックの音、トントトトン・トントンじゃなかった?」と聞くと彼もあっと言うような顔をして「うんそう、そういってた。」

そう、そのノックの仕方はGさんがいつもしてたノックのたたき方だったのである。いたずら好きのGさんが若いカップルにヤキモチを焼いてちょっと驚かせてやれ、とやったのだろう。彼のやりそうなことだ!

ジュライが閉鎖になり、誰も来なくなりGさんさびしがってないかなー!!
合掌

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ハノマン@沈没旅行者